こんにちは、シシ坊です。
猪生初の婚活相手、メグミさん(32)との二回めデートで池袋にやって来た私。
しかし待ち合わせ時間にメグミさんは現れず、さらに「人多いですね……」と謎のつぶやきメッセージを送信してきました。
寒い地下道で待ち続け、約15分遅れてメグミさんは現れました。
前回の記事はこちら↓↓
■闇に葬られる15分遅刻
池袋駅の地下道は混雑していたものの、何とかお互いの姿を見つけて合流できました。
メグミさんは、ちょっと秋葉原っぽい柄のビニール袋を手に提げていました。
聞くと、午前中にワンフェス(ワンダーフェスティバル)に行ってきたとのことでした。
フィギュアが好きなんですか? と聞いたところ、半分仕事も兼ねて行ってきたので特に大好きというわけではないが、フィギュアに関連するアニメやゲームなどは嫌いじゃないそうです。
私も嫌いではないので、お話のネタに詰まった時、二次元ネタで多少は時間が稼げそうです。
私たちは地下道から地上に出て、サンシャイン通りに向かって歩き始めました。
きょうも寒いですね、そうですね、などとお決まりの天気の話がはじまりましたが、メグミさんはまだ遅刻したことを謝ってはきません。
どうやらこのまま闇に葬るつもりのようです。
このメグミさんの何もなかった風の態度は、正直引っかかりました。
シシ坊も別に、そこまでマジな態度で謝れとは思いません。
15分の遅刻ていどなら、顔を合わせたときに軽くすいません、と触れるくらいの気づかいを見せれば、それで許せるレベルの話なのです。
ですがそれすら面倒なのか、あるいは無意識なのか、メグミさんは結局このあと最後まで謝らずじまいでした。
ただ、シシ坊も最初のうちは釈然としなかったものの、デートコースをこなすうちにそういう気持ちは薄れていきました。
はじめての婚活デートという高揚感、女性とひさびさにデートできる楽しさ、
しかも10歳年下(元カノと同じ年齢をキープできている)、
という満足感のほうが勝ったのです。
■サンシャインでぶっこみ全開
サンシャイン展望台に昇るため、サンシャインシティの券売所で入場券を買おうとしたのですが、
ここでメグミさんがまたぶっこみかけました。
気がつけば私より前に出て、すでに財布を出しているのです。
たくましい。
女は男より三歩下がると見せかけ、おもむろに抜き去るべしという日本古来のことわざ通りです。
ですがシシ坊は先週、彼女の即決ぶっこみ癖を体験ずみだったので、事前に釘を刺すことができました。
「大丈夫です、ここは出しますね」
そう言うとメグミさんはやや意外そうに、「いいんですか? ありがとうございます」と礼を言いました。
その言い方も、かなり意外そうでした。
おおかたの女性はおごられることを予期しているため、お礼の言葉が儀式化して台本棒読みになるのですが、
メグミさんはすこし素直すぎると言っていいくらいでした。
その後、私たちは展望台にのぼって夕暮れの東京の街並みを見下ろしたあと地上にもどり、サンシャインシティのカフェで一休みしたのですが、
このカフェのお茶代の払いも、ちょっと波乱がありました。
このカフェはいったん席に案内されたあと、自分でレジへ注文しにいくセルフオーダーの店だったのですが、
「何飲みます?」
とメグミさんに聞かれました。
もうこの時点でシシ坊は気づいてしまったのですが、
メグミさんはたんなる話の流れで注文を聞いてきたのではありませんでした。
完全に、自分がお茶代を払うための予備動作なのです。
しかしこの時、シシ坊は寒い中のデートで少し疲れていたため、うっかり気を抜いて、
「ブレンドコーヒーのレギュラーサイズ……」
と答えてしまいました。
するとメグミさんは即決で席を立ち、シシ坊の予感どおりレジへぶっこみをかけようとしたのです。
「ああ、いいですいいです、大丈夫!」
シシ坊はメグミさんを強引に押さえ込んでレジへ行き、代金を払ってきてしまいました。
本当にメグミさん、なかなかのツワモノです。
これならば、むしろ払わせてあげたほうが良かったのかもしれません。
ただ、メグミさんは10歳下で収入にも差があるため、払わせられないという思いがあり、ゆずることができなかったのです。
年齢や年収がもっと近ければ、きっとご馳走になっていたと思います。
この一件でメグミさんにフラストレーションを溜めさせてしまったのか、
この後に行った赤羽のせんべろ居酒屋で、その反動が返ってきます……
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