こんにちは、シシ坊です。
猪生初の婚活相手、メグミさん(32)にメッセンジャーをブロックされ、仮交際が強制終了した私。

しかし、こんなこともあろうかと保険はかけていて、
じつは仮交際中に別の婚活パーティへ参加していました。
今回からはその模様を描いていきます。
前回の記事はこちら↓↓
第13話: ぶっこみマーケッター メグミさん Part.5(終)
■結婚式場でバレンタイン婚活
猪生二回めとなる婚活イベントは、埼玉県の某結婚式場で行われる「バレンタイン婚活パーティ」でした。

式場併設のおしゃれなレストランで、一流パティシエのチョコレートやケーキを堪能しながら出会いを見つけよう!
というような内容で、
男50人女50人、計百人が参加する大規模なパーティです。
参加年齢は20歳から45歳までと幅広く、
参加費は男性八千円、女性五千円という強気な値段設定でした。
はじめての婚活パーティは三千円台だったので、二倍以上の値段です。
出会いのコストはゼロが当たり前と思っていたシシ坊にとっては、受け入れがたい値段ですが、
総合的にはコスパが良いと判断し、参加を決めました。
女性が五千円も払うイベントならば結婚への本気度も高いと思えますし、
50人もいるなら、それだけ素敵な女性がまぎれている確率も高いはずだからです。
何がなんでも元を取ってやる覚悟で、準備はかなり念入りに行いました。
前日までには眉毛、鼻毛、爪を切り、耳垢の掃除や白髪染めをしました。

当日は唇のカサつきや手の乾燥、指のささくれ、顔の油といった細かいアラをなくし、全体の清潔感を上げるよう心がけました。
そして最後に髪を整え、一張羅の服を着て、時間に余裕をもって出かけました。
■おしゃれな式場、上がる気分
会場となる結婚式場はかなり立派でした。
お城のような門をくぐって敷地内に入ると、ステキな石畳の道に出迎えられました。

なんでも南フランスの街をモチーフにしているそうで、
道の先には、たしかに南欧らしい雰囲気のチャペルやレストランが並んでいます。
これにはだいぶ気分が上がりました。
オフィスビルの会議室だった先日のパーティ会場とくらべると、雰囲気は雲泥の差です。
ここで一流パティシエのスイーツなんて食べたら、いくらでも甘い気持ちになれそうです。

ジュテーム。
石畳の道を歩いていくと、黒服を来たスタッフさんに「婚活パーティの方ですか?」と声をかけられ、
はいそうですと答えると、丁寧に会場まで案内してくれました。
窓口で八千円をはらって会場に入ると、テーブルクロスのかけられた丸テーブルがいくつも並んだ広いホールに通されました。

イベント開始の20分前でしたが、すでに50人ほどの参加者が中で待っていました。
やはり格式の高いパーティという意識があるのか、みんなドレスアップしてきています。
窓口で渡されたプロフィール用紙を記入しつつ、イベント開始までにほかの参加者の様子をチェックします。
■参加年齢がだいぶ幅広い
女性参加者の顔つきをひと通りチェックしたのですが、
20歳から45歳までという参加年齢の設定もあってか、本当にさまざまです。
中にはどう見てもハタチそこそこや、20代前半の女性も結構います。
上限は42、3歳ほどでしょうか。
42歳のシシ坊が結婚対象として現実味を感じられる、20代後半から30代の女性もたくさんいました。
パッと見たところでは色々な人が居すぎて、これといって目に留まる人がいません。
また男性参加者のチェックも行ったのですが、これも若い人からおじさんまでさまざまです。
これもまたパッと見て、強力なライバルがいるかどうかの判別がつきません。
参加者が多すぎると、見極め力がにぶってしまうようです。
■シシ坊、開始前アタックをかける

プロフィール用紙を記入し終わり、会場内をうろうろとしていると、ひとりの女性に目が留まりました。
見た目は30歳前後の、黒髪をすこし巻き髪にした、押しの強い顔をした女性でした。
会場の隅の椅子にひとり座ってプロフィールを記入しています。
黒紙を垂らし、うつむいてプロフィールを書いている雰囲気がなかなか良いです。
まだイベントの開始前ですが、シシ坊はいきなり彼女に話しかけました。
「ちょっとお訊きしてもいいですか?」
訊くことなど何もありませんが、とりあえず声をかけました。
気になる女性へ前触れなく話しかけるというのは、シシ坊の時々やることです。
(やっちまったかな)と自分でも思うことがあります。
なぜそんなことをするのかは、自分でも説明しづらいです。
なぜなら「よし、話しかけよう!」と決意してやるわけではなく。
「やろうかな?」と思った瞬間に、勝手に口と体が動くからです。
おそらくは無意識の照れ隠しかもしれません。
若い頃からシシ坊はすぐに誰かを好きになってしまう恋愛体質でしたが、
完璧に恋心を隠しているつもりなのになぜか周囲にはバレている、ということが何度もありました。

気になる人のことを考えるとすぐにバレてしまうので、
それを隠すため、何も考えずに突然話しかける癖がついたのかもしれません。
まあけっこう唐突なので、相手に引かれてしまう場合もよくあります。
ただこれが気になる女性になんとか接近するための、シシ坊なりの方法なのです。
声をかけた女性は幸い、「はいっ」と、わりあい元気に振り向いてくれましたので、
シシ坊はプロフィール用紙の項目について「ここってどう書いてます?」といったような、適当な質問をでっち上げました。
そのあと「どこから来たんですか?」「今日どんな流れなんでしょうね?」というような話を二、三交わしました。
まだプロフィール交換もできないので、彼女がいくつで何をしている人なのかもわかりませんでしたが、見た目も好みですし、しっかりした受け答えも気に入りました。
とりあえず候補のひとりに押さえておくことにします。
開始前に軽くアタックをかけたことで肩の力が抜けて、ちょうどいいウォーミングアップです。

そうこうしているうちに、会場内は参加者とスタッフ含め、およそ百数十人の人たちで満員となりました。
続きます。
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