第16話: 50対50バレンタイン婚活パーティ Part.3

こんにちは、シシ坊です。

猪生で二回めの婚活イベント、結婚式場でのバレンタインパーティに参加した私。

参加人数は男女合わせて百人!

前半の自己紹介タイムは回転寿司をこなすのに精一杯で、50人もの女性のプロフをほとんど覚えられませんでした。

前回の記事はこちら↓↓

第15話: 50対50バレンタイン婚活パーティ Part.2

■後半フリータイム

自己紹介タイムが終わり、いよいよ後半のフリータイムに入りました。

ここでパーティ会場の隣の部屋が開放され、ビュッフェコーナーが設置されました。

バレンタインパーティらしく、一流パティシエの作るケーキやチョコレートを楽しむことができます。ワインなどアルコールも提供されるようです。

さらに会場の各テーブルに遊具が設置され、ゲームコーナーに早変わりしました。

ディーラー付きのミニカジノでバカラやブラックジャックを楽しんだり、巨大ジェンガや人狼ゲームで遊んだりできます。

さすがに大規模なイベントだけあって演出が大がかりで、ここは主催者もなかなか頑張っていました。

参加者がぞろぞろと、開放されたばかりのビュッフェコーナーに向かっていきます。

フリータイム開始直後のためか、まだ男女ともに動きがわるく、お互い様子見の姿勢でした。

しかし女性はともかく、男性がいつまでも待ちの姿勢でいるわけにはいきません。

フリータイムは先手必勝。まごついていると、目ぼしい女性はあっという間に取られてしまいます。

ましてやシシ坊は42歳で、参加者上限ぎりぎりの年齢。

ただ突っ立ってるだけで女性がワラワラ群がってくるようなことは絶対にないアラフォー男です。

ただ突っ立ってるだけで女性がワラワラ群がってくるようなアラフォー男は私の知る限り、

スウェーデン王室ヴェルムランド公爵・カール・フィリップ王子くらいのものです。

「あなたがカール・フィリップ王子でないならば、今すぐ狩りにいくべきだ」

これは出会いがなく、かといって婚活に行く決心もつかないまま、日々老化してゆく中年男性へ、シシ坊から送る格言です。

今後ゲーテの格言とならび語り継がれてゆく名言となることでしょう。たぶん。

少し話がそれました。

そんなわけでシシ坊は、さっそくビュッフェに向かう女性のだれかに声をかけようとしました。

ただ、前半の自己紹介タイムがまったく役に立っておらず、誰がどんな女性だったのかほとんど覚えていません。

なので、まず見た目が気に入った人から接近してみるほかありませんでした。

■先手必勝で声をかけるも……

まずイベント開始前にフライングで声をかけた黒巻き髪の女性(14話参照)を探しました。

見た目は好みだったし、一度話をしているぶん声をかけやすいからです。

ですが彼女をシシ坊の視界内で見つけることはできませんでした。

何しろスタッフ含めて百数十人という大人数がいる会場内で、パッと見で発見することはむずかしいのです。

ただ参加女性は50人もいるし、黒巻き髪の彼女ひとりにこだわる必要もありません。

シシ坊はすぐにターゲットを変えました。

実はイベント開始前にマークしていた女性がもう一人いたのです。

年齢は見た感じ30歳前後で、明るい茶髪にかっちり目のツーピースを着ていました。

たとえるなら地方の会社の受付嬢のような雰囲気の女性です。

茶髪の受付嬢はビュッフェに向かおうとする姿をすぐに見つけることができたので、シシ坊は隣に並んで歩きながら声をかけました。

「楽しみですね、どんなスイーツがあるのか」

「そうですね」

とりあえず、微笑を浮かべながらの返事が返ってきました。

「たしかお住まいは●●市でしたっけ?」

自己紹介タイムの記憶を引っ張り出して聞いてみました。茶髪の受付嬢は一応マークしていたので、ほかの女性よりもなんとなく自己紹介の内容を覚えていたのです。

「はい、そうです」

と茶髪の受付嬢は答えてくれましたが、シシ坊がどこに住んでいるのか聞き返してはくれません。

そして●●市はシシ坊の家から電車で一時間半かかる場所(けっこう田舎)だったので、「私は▲▲市です、いやあ近いですねぇ」という親近感を演出することもできません。

なので、

「当たって良かった。こんなに参加者が多いと覚えるのも大変ですから」

そんな中でも、私はちゃんとあなたの自己紹介を聞いていたんです……というアピールをしてみましたが、

「そうですね」という生返事しか返ってきませんでした。

■消えた受付嬢

そして横に並んで歩いていたはずの受付嬢の歩みが、なぜか急にのろくなり、だんだん斜め後ろにズレていきました。

彼女の前にいるビュッフェ待ちの行列が前に進まないのかな? 

と最初は思い、シシ坊は何度か斜め後ろを振り返って受付嬢に話しかけました。

受付嬢はシシ坊にいちおう返事を返してはくれますが、さらに歩みが遅くなり、後ろへ、後ろへ、と下がっていきます。

だんだん会話がむずかしい距離になり、というか、もうめちゃくちゃ遠くなり、

やがて受付嬢はほかの参加者たちの群れの中に、完全に消えてしまいました。

そこでようやくシシ坊は気づきました。

牛歩戦術で避けられてしまったのです。

そんな斬新な必殺技を繰り出されては笑うしかありません。

(本当に笑ってしまいました)

シシ坊は受付嬢に見切りをつけ、次なるターゲットを探すことにしました。

そしてビュッフェ待ちの行列が進み、おいしそうな洋菓子が陳列されたテーブルの前に来たとき、

シシ坊は、皿を片手に菓子をながめていた一人の女性に声をかけました……

続きます。

↓↓気に入って頂けたらクリックをお願いいたします!

にほんブログ村 恋愛ブログ 40代男性 婚活・結婚活動(本人)へにほんブログ村
にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へにほんブログ村
婚活ランキング