第21話: 資料こだわり薬剤師アユナさん Part.2

こんにちは、シシ坊です。

猪生二回めの婚活パーティで、13歳年下の薬剤師アユナさんとマッチング成功するも、

「このあとすぐ別のパーティに行く」と言われ、お茶はできず直帰することになった私たち。

帰りぎわ、駅のホームで「もしかして結婚してますか?」という謎の質問をされました。

前回の記事はこちら↓↓

第20話: 資料こだわり薬剤師アユナさん Part.1

■結婚してますか?

「え!? してませんよ? なぜそんなこと聞くんです?」

アユナさんの奇妙な質問に驚いて、思わずそう聞き返しました。

世の中には既婚者でありながら、独身をよそおって婚活イベントに参加し、肉体関係をねらう不届き者がいるらしいことは知っていました。

ちなみに「ヤリ目」という言葉は、婚活をはじめてから知りました。

まさかアユナさんは、私が「ヤリ目」かもしれないと疑っているのでしょうか?

ただこれは、女性の自己防衛手段としてやむを得ないことかも知れません。

ある程度、親密な関係を築いてしまったあとでは、たとえ既婚者の疑いが浮上しても、正面きって確かめるのは難しくなるでしょう。

いまのうちに不意打ちで質問を投げたほうが、手早くさぐりを入れることができます。

なのでべつに失礼な質問とは思わなかったのですが、アユナさんはシシ坊の反応にあわててしまい、言い訳するように手を振りながら答えました。

「あ、いえ、何か落ち着きがあって、しっかりした感じだったので……もしかしてと思って」

独身はみな落ち着きがなくしっかりしていないと言う風にも取れる発言ですが、そこは笑ってやり過ごしました。

その時、上り、下りの電車がほぼ同時にホームへすべりこんできました。早くもアユナさんとはお別れです。

「じゃあ、業者から資料が来たら教えてください」

「あ、はい。じゃ近いうち会いましょう。あとで連絡します」

そんなやり取りをして、お互いの電車に乗り、別れました。

資料が来たら教えて……? また後で連絡します! とかじゃなくて?)

物言いが少し引っかかりましたが、このときは、別れのあいさつ代わりにそう言ったのだとしか思っていませんでした。

(婚活業者の資料にまつわる問題は前話参照

■デート予約成功するも……

その日の夜、さっそくアユナさんに、初回デートの日程決めを打診しました。

返事はその日のうちに来ました。交渉の結果、約二週間後の平日、仕事帰りに埼玉の大宮で夕食をともにすることになりました。

シシ坊の当時の勤務先から大宮までの距離は遠かったのですが、アユナさんの住まいが埼玉の奥のほうなので、彼女の負担にならないように配慮しました。

また、二週間も間が空いてしまうことも残念だったのですが、仕方がありません。

アユナさんは複数の男性と仮交際を並行することをほのめかしているので、予定のやりくりに忙しいのでしょう。

ひとまず日程だけ先におさえてしまい、どこで何を食べるかは、あとで調べてから打診するつもりだったのですが、

アユナさんのほうから「こちらはどうですか?」と、大宮駅ちかくのカフェレストランを提案してくれました。

この提案は嬉しかったです。

会えるのは二週間先とは言えど、女性から提案してくれるということは、けっこう乗り気なのかもしれない、という期待が持てます。

そしてやり取りの最後に、アユナさんはこう付け加えてきました。

「資料が届いたら、当日持ってきてほしいです。それでは♪」

また資料の念押しをされました。さすがに「何なんだろうな?」という疑問がわいてきます。

記入欄もなにもない不要な書類の裏紙に、極太マジックで個人情報を書かせた業者のいい加減さは、アユナさんも見ていたはずです。

そもそもちゃんと送られてくるかどうかも怪しいシロモノに、なぜそこまでこだわるのか?

引っかかりは感じつつも、アユナさんとのデート予約が成功したことは嬉しかったので、

デート当日までの二週間ほどの日々は、たいへん楽しみに、待ち遠しく過ごしていました。

■資料が来ないなら……

そしていよいよデート前日。

あしたにはアユナさんと会えると思うと、心が小躍りしました。

シシ坊もこのとき、複数の女性と仮交際を並行していましたが、アユナさんはその中で大本命でした。

若くて、美人で、仕事が手堅い。

この三拍子がそろった女性は今後そうそう現れないはずです。あとは性格だけを見極めれば良いのです。

絶対にモノにしてみせるぞ! と力が入りまくっていました。

ただデート日程を決めてから二週間近くの間、SNSメッセージのやり取りがまったくなかったのが残念でした。

こちらから送ってみようかと思うこともありましたが、まだ一度もデートしていない関係ですし、

一番の本命女性であるため、ヘタなメッセージを送って関係を壊したくありませんでした。

デート前日の夜21時ごろ、もうそろそろいいだろうと、明日のデートについての確認メッセージを送ろうとしたその時……

アユナさんのほうから先に、メッセージの着信がありました。

おお、来た、あこがれのアユナさんから!!

高鳴る胸をおさえてメッセージボックスを開いてみると、こんなメッセージが書かれていました。

「すみません、業者からの資料って届きましたか?」

出た、資料話!

やっとメッセージが来たと思えば、あしたのデートの話にはいっさい触れず、資料のことだけをたずねてきたのです。

いったいなぜそこまで執着するのでしょう!?

ちなみにその資料はどうなっているのかというと、パーティから二週間もたつのにいまだに届いていませんでした。

あの業者のいい加減な仕事ぶりからすると、もう未来永劫、届く気がしません。

「まだ来ていませんね……」

シシ坊は、アユナさんに答えを返しました。

するとアユナさんから、びっくりする返信が返ってきました。

「でしたら申し訳ないのですが、資料が届くまで会うのは延期させてもらえるでしょうか……?」

え?

続きます。

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