こんにちは、シシ坊です。
猪生三回めの婚活パーティで、39歳事務員トモコさんとカップリングした私。

年齢上限を引き上げたあとの、初のアラフォー女性です。
カップリングした当日から、いきなりふたりで映画を観に行くことになりました。
前回の記事はこちら↓↓
■映画館へ行く途中で……
トモコさんのわかりづらい誘い文句をようやく理解し、映画『フォルトゥナの瞳』をいっしょに観に行くことになりました。

トモコさんの巧みなライフハックで、当日チケットを前売り料金で手に入れ、池袋のサンシャイン通りへとやってきました。通りの半ばほどに、目的の映画館があります。
サンシャイン通りといえば、つい先日、猪生初の婚活相手であるメグミさんとデートで歩いたばかりです。

つい先週は真剣に結婚を考えていたメグミさんが、もう二度と会うことのない過去の人となり、
今はトモコさんというまったく新しい女性と一緒に、街角を歩いている。
このバッサリ切ったりパッと出会ったりという感覚は、自由恋愛ではあまり経験しなかったので、なんだかとても不思議に思えてきます。
さて映画館に向かう途中、シシ坊はとなりを歩いているトモコさんを見て、ふと気になってしまったことがありました。
それは、彼女の歩きかたです。
ズリ、ズリ、と靴の底を擦る音が大きく聞こえてきます。
はじめはあまり気にしていなかったのですが、彼女の足もとに目をやると、つま先がかなり外側を向き、Y字型になっています。
つまりガニ股気味に歩いているのです。
そして、トモコさんの歩く姿勢ですが、上体が反っていました。
わかりやすく言うなら、お相撲さんのような歩き方です。お腹に肉がついているため、バランスを取るために、背中を反らせて歩きますよね。
(こ、この歩き方は……)
シシ坊はとっさに、あることが頭に浮かびました。
■太っているんじゃないか?

こういった歩き方をするということは、トモコさんは太っているのかもしれません。
太っているかどうかなんて、見た目でわかるんじゃないか? と思われそうですが、パッと見では意外と見やぶれないものです。
身体の線を隠すためにフワっとした服装をしていたり、露出している部分(顔やアゴ)に、肉がつかない体質の人もいるので、しばらくして目が慣れてきた頃にようやく、
「……あれ? 意外と厚みのある体型……?」

と気づくこともあります。
トモコさんは背が150センチ台と小柄でしたが、明らかにやせ型ではありませんでした。
手首や肩のラインは、スッキリというよりはもっちりしています。
シシ坊は、太っている女性がNGという訳ではないのですが、なるべくなら普通体型か、細めの人がいいとは思っていました。
自由恋愛のときはそこまで相手の体型を気にしなかったので、なんだか自分の見る目が厳しくなっているなあ、と感じました。
婚活は条件から入るので、体型も重要条件のひとつとして判断しているのかもしれません。
■私、あまり食べないんです
映画館について上映を待っている間、売店で飲み物や食べ物を買うことにしました。
上映開始は18時すぎで、終了予定時刻は20時を回るため、ちょうど夕食時に鑑賞をすることとなり、
きっと上映中におなかがすいてしまいます。
「ホットドッグやフライドポテト、食べますか?」
シシ坊はトモコさんに訊きました。
これから二時間、ジュースとポップコーンくらいではちょっと物足りないだろうと思ったからです。
しかしトモコさんは、
「あ、ジュースだけで!」
と断りました。そしてさらに、こうつけ加えました。
「私、あまり食べないんです」
「ああ、そうですか」
あまり食べない人なら納得です。シシ坊は、自分のぶんだけホットドッグとフライドポテトを注文しました。
するとトモコさんは、(え、シシ坊さんは食べるの!?) といったような目でこちらを振り返りました。
そして彼女は、サクサクに揚げられたおいしそうなフライドポテトや、プリップリの皮がはじけんばかりのボイルソーセージに、たっぷりのケチャップとマスタードが乗った、じつに食欲をそそるホットドッグの写真が載っている看板をチラチラ見ながら、
「えー、どうしようかな……」
などとつぶやいて、売店コーナーの前で佇んでいるのです。
若干、挙動不審です。
「食べましょうよ? 絶対おなか空きますよ?」
シシ坊がそう呼びかけると、それが助け舟になったのか、トモコさんは「ですよねぇ〜」と安心したように言いました。そして、
「じゃあ私もホットドッグとフライドポテトのセットで。あとアイスをひとつ」
と、店員さんに注文したのです。
あまり食べないんでしたよね!?

さりげなくデザートまで追加されていますが!?
どうやらトモコさんの食欲は、言うこととは裏腹に、かなり旺盛だと考えて良いでしょう。
その食欲をシシ坊の前でむき出しにすることを恐れ、「私、食べないんです」などと真逆のことを言ってしまうということは、
やはり自分の体型を隠したいという思いがあるからなのでしょう。
トモコさんが少なくともぽっちゃり以上の体型であることがほぼ確定しました。
だからといってシシ坊は、即座にトモコさんへの興味を失ったわけではありませんでした。
考えようによってはかわいい振る舞いとも取れますし、まずは彼女と一緒に映画を楽しく観ようという気持ちでいたのです。
続きます。
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